高気密高断熱

外断熱同様、最近の住宅販売における宣伝文句として、また、住宅に求められる要望事項として、ブームといえることばです。
断熱に関しては、次世代省エネ基準等、公的な指針が示されていて、これについては私も大いに賛成するもので、近年手がけたの住宅は基本的にこの基準に準ずる或いはそれ以上の仕様としています。
(「レビュー」のページでも掲載していますが、建て主さんの方々からは「夏涼しく冬暖かい家」とのご評価を頂いています)

問題は高気密や計画換気。
鉄道や幹線道路沿いなどではない一般的な住宅地で生活するにあたって、本当に必要な仕様でしょうか。
オフィスやデパート等のように、更には医療施設や工場におけるクリーンルームのように、
住まいも、機械や設備による人工的な空調環境とすべきなのでしょうか。

確かに、高気密化は、空調効率の点ではこれまでの仕様よりも優れた仕様と言えますが、
あくまで冷暖房設備や熱交換換気設備を稼働させることを前提としたものです。
もちろん、すきま風がピュウピュウと入るような家は論外として、通常のアルミサッシュ程度の気密、水密性が確保されていれば、
それ以上のものを求める必要が本当に必要なのでしょうか。

24時間、機械の運転によって守られる環境づくり

シックハウス問題も、高気密化する今日の住宅の造られ方に問題の一因がありました。
私は、高気密高断熱の行き先に、かつて星新一が描いた未来社会を見るように思えてならない時があります。
窓を閉めていても、雨が降り始めればその気配を感じ、外で遊ぶ子供の様子が感じられ、鳥の鳴き声が聞こえる。

大都市中心部は除くにしても、都市近郊の住宅地やその他地域における住まいやその周辺の環境は、
そのようなものであってほしいと思いますがいかがでしょう。

 

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