家づくりで一番大切なこと
(これから家を建てようとされている建て主の方々へ)


仕事柄、住宅関連のWebサイトを見る機会は多いものです。

私自身が建築家登録をしているサイトも多くあり、そこでこれから家を建てようとしている建て主さんによる要望内容や質問等を見たり、
質問や募集に対して回答を行ったり、時には応募をすることもあります。

住宅メーカーや工務店、設計事務所で家を建てようとしている人など、さまざまな人からの話に接することで、
建て主さんが気にしていることの動向を知ったり、他の設計者の回答も見ることができる為、勉強にもなります。

私は事務所を開設してから20年以上が経ち、その間に本当に多くの情報に触れてきましたが、
建て主さんが気にされる事や質問には、常に変わらないものと社会の変化と共に変わってきているものとがあるものです。

変わらないものとしては、家づくりの方法やプラン・窓の設け方・費用等についての質問、
変わるものとしては、構造や断熱・省エネ設備といった、主に工法上の問題です。

震災の後は耐震性や構造、構法といった事を気にされるのは当然の事ですし、
アスベストやシックハウス問題が発覚した際には建材などの有害物質について気にされる方が増えました。

その後、外断熱が話題になった際にはこれもブームのように気にされる方が増えたように思います。
(近年ではほとんど話題になるケースはなくなったように思いますが)
近年は主に省エネや高気密高断熱のお話が多いように思います。

上記、外断熱の頃からだと思いますが、建て主さんが気にする事が主に住宅メーカーの仕掛けに嵌ってしまっているように思われるのは、非常に気になるものです。
もちろん、社会的なニーズにより各メーカーが自社の新しい規格を開発し、それを謳い文句としていると言えるものだとは思います。

ここで私が問題と感じるのは、あるブームの一要因の優劣を建て主さんが家づくりの非常に重要な要素、判断の基準として考えるようになってしまう事です。

家づくりで最も大切なことは、私はあくまで
「基本計画」「プラン」
にあり、その優劣が一番に比較されるべきものと考えています。

耐震性や耐久性、遮熱性能、防音性能、使用素材等々、それぞれ全て家づくりにとっては非常に重要な要素ではありますが、
人が長く暮らす住まいとして一番大切にすべきことは、家の骨格づくりの基になる

「敷地のおける家の配置やプラン(平面計画)」
「採光や通風計画を含めた断面計画」
にあると考えています。
(自動車や家電製品であれば、馬力や消費電力等のスペックを重視して評価や選定を行うことはあるでしょうが)

このような基本計画の優劣は数値化できないものであり、また人それぞれの生活スタイルや嗜好などにより客観的な優劣をつけにくいことから、評価や比較の対象に挙げにくいものです。

故に住宅メーカーなどはこれに力を入れないもののように思われてなりません。
住宅メーカーの設計者は建て主さんの希望を図面化しても、そのメリットやデメリットの説明がなかったり、独自の提案は行わない等といった事は、こちらでの建築相談やセカンドオピニオンなどで建て主さん方から相談を受けるお話として最も多い事柄です。
(設計のプロとしての役割を放棄しているようにも思われるものです)

極論ではありますが、
構法的な問題や性能は時代のニーズに合わせて改善や改修は可能ですが、家の骨格となる基本計画に関してはそうそう見直しが可能なものではありません。
そのような観点からも基本計画の重要性はご理解を頂けるものと思います。
(家の建替えの主要因が、性能上の問題よりも機能面や使い勝手などにあることはそれを現しているものだと思います)

敷地を無駄なく有効に活用した家
建て主さんの生活スタイルに合う家
将来の生活までも充分に考えた家

家は、基本計画やプランがしっかりした家とすることが何よりも大切であるべきものです。

住宅メーカーで建てる家であっても工務店であっても、もちろん設計事務所で建てる家であっても、これは変わりませんが、
上記のような姿勢で家づくりに取り組むところ、またその能力を有しているところが限られているように感じられるのは非常に残念に思うものです。

納得ができるいい家をつくる為には、
「基本計画段階からしっかりと建て主さんと打合せを重ね、それぞれの段階での計画内容に対してプロの視点での助言やサポートを的確に行うことができる所と行うべき」
というお話でした。