設計と監理について

~より確かな家をつくるための設計の流れ、進め方~

設計事務所を介しての家づくりは、建て主の方のご要望を充分に反映すると共に、快適で暮らしやすい家、デザイン性に優れた設計を行うものです。
また設計図に基づいて、工事費が適切かどうか精査・査定をすると共に、建物がしっかりと施工が行われているか工事の段階ごとに第三者的視点からチェックを行う監理が行われるものです。

建て主の方と施工会社との間に、施工会社とは利害関係がない設計と監理のプロが加わることで、
設計の質の向上、適正な工事費や工事内容の確認と同時に双方のトラブル防止と円滑化が図られることになるものです。

ほとんどの人にとっては一生に一度の家づくりですので、設計事務所を介しての家づくりがどのように進められるのかは不明な点が多いと思います。
以下に、こちらでの家づくりの標準的な流れや進め方に関しての概要を記させて頂きました。

1.基本計画段階

まずはご連絡を頂くことから始まります。
敷地や建物、ご要望や心配されている事、ご予算等をお伺いし、その上で設計の進め方やコスト、スケジュール、懸念されている事などについてのコメントやご説明をさせて頂きます。
この際、敷地が決まっている場合は、敷地に関する資料を提示ください。測量図があればベストです。
(測量図がない場合は測量事務所に測量を依頼する必要が発生します。測量はこちらから手配することも可能です)
また、敷地の用途地域や建ぺい率、容積率、防火地域や高度地区制限等、法的な制約がわかればなお結構です。
(事前に敷地の所在地をお伺いできればこちらで調査します)

土地探しに関しては当方の業務範囲外ではありますが、土地のご購入にあたっての現地視察やご相談はお受けしています。
計画する建物に対してのご要望、ご家族の方の生活スタイルや住まい方等をお伺いさせて頂いた上で、まずは敷地を拝見させて頂きます。

これは、敷地を見ずにプランを考えることはできないと考えていることによるものです。
その後、プランの提案をさせていただきます。
(通常は2~3案、複数の案を提示させて頂きます)
工事費並びに設計監理料の概算金額、全体工程(案)を提示することのもこの段階です。
当事務所ではこの段階では設計料は発生しません。
(設計事務所によっては前払金が必要であったり仮契約を行う必要があります)
これは、設計者と建て主とのお付き合いはお見合いのようなもので、しばらくお付き合いをしないとお互いの相性や信頼関係の確認はできないだろうという考えによるものです。何回かのお話を重ね、設計者の対応や提示した案等をもとに、設計をご依頼されるかどうかのご検討をして頂きます。

ここまでが無料の範囲。
本格的な基本設計の検討に入る前に次項の設計監理契約をさせて頂きます。

2.設計監理契約

設計をご依頼されることになりましたら、設計監理契約を締結させて頂きます。
設計契約書の書式は、通常、四会連合協定、建築設計・監理業務委託契約書を使用しています(契約約款共)。
ここには、設計料の契約額と各段階での支払い日の他、各段階の業務期間、基本設計の提出物、実施設計の提出物等を明記します。
またそれらと共に、建築士免許の提示や重要事項の説明なども行います。
(2008年の改正建築士法によりこれらは重要事項説明書として書面の交付が義務付けられました)

こちらでは、契約は急ぐことなく充分に納得を頂いた上で、ということに留意しています。

設計料(料率)についてはこちらから

3.基本設計

基本計画内容を基に打合せをさせて頂くと共に、別案や修正案などの検討を行い、説明図、模型等を作成、できる限り丁寧で充分なご説明しながらプランを確定していくのと同時に、主要部分の仕上、構造や設備についても基本計画を検討・打ち合わせを重ねていきます。
一般的にこれにかける期間は2~3ヶ月前後です。
じっくりとご検討されたいという建て主の方によっては半年位の期間をかける場合もあります。
いずれにしても建築計画にあっては最も大事な所です。
ここであせることなく時間をかけることが、建て主の方が納得できる建築、悔いを残さないものとする為には最も大事な部分と考えています。
またこの段階では、図面だけではなく
模型
スケッチ
により、建て主さんに設計内容をしっかりとご理解頂くようにしています。最終段階には基本設計図としての図面、仕上表、概算書、工程表といった書類や模型などを提示させて頂き、家の骨格を固めます。

4.実施設計

確定した基本設計図を基に、正確な見積りや工事を行う為の実施設計図を作成していきます。
設計事務所による家づくり特有といえる作業です。
(直接工務店さんに頼む家や通常のハウスメーカーさんによる家づくりでは、この実施設計図面は作成されません)
設計事務所の仕事に慣れた職人さんは皆、この図面に基づいて材料の手配や現場での仕事をすることになります) 

詳細な納まり、仕上げ材料、各種設備内容等の詳細を、打合せと並行して作図していくものです。
キッチンや洗面台、コンセントの位置や照明スイッチの位置、手洗いの水栓からトイレの紙巻器に至るまで、この段階にて決めて図面に反映させます。
造り付けの家具や外構計画などもこの段階で図面化します。

期間は規模や構造形式にもよりますが、概ね3~4ヶ月程度です。
図面が完成したところで全ての図面の説明を行い、1~2週間をかけて建て主さんに図面を最終確認をして頂きます。
(最初のうちは図面を読むことがあまりできない建て主さんも、打合せを重ねていくうちに読むことができるようになりますのでご心配なく)

5.施工会社選定
 (建築確認申請)

複数の施工会社に実施設計図を渡し、図面に基づいた工事費の見積書を作成してもらいます。
見積徴収後、査定、調整、比較を行い、建て主さんにその内容を書面にて報告し、施工会社を決定していきます。
所要期間は1ヶ月程度です。
また、通常はこの間に建築確認申請を行います。
(木造1階、2階建て住宅以外の場合は2007年の法改正後、審査に非常に時間がかかるようになりましたので、実施設計の途中段階や着工までの時間をやや多く見込んで確認申請期間を確保しています)

なお、見積もりに参加する施工会社は、建て主の方がご希望する施工会社がある場合は別として、そうでない場合には、建物内容やご予算に見合う施工会社を当方より提示させて頂いております。

6.工事契約

施工会社、工事請負契約金額が確定したところで、施工会社と建て主の方との間で工事契約をして頂きます。
(工事契約にあたり、実施設計図(見積図)や前項の工事見積書に修正が生じた場合は当然のことながら、それらを修正したものにて契約を行い、図面も含めて契約書として製本します)
設計事務所はこの契約に立ち会い、設計監理者として契約書に記名捺印します。
工事契約が済むといよいよ着工(工事の開始)です。

7.設計監理
    (工事期間)

工事期間中は、図面通り適正に工事が行われているか監理し、実施設計では決めていなかった仕上げの色などを決定します。
建て主の方にもポイントとなる所で現場を確認して頂いております。
工事期間は木造2階建ての場合で6~7ヶ月前後です。

・主な設計監理業務内容:
  施工図の審査
  工事の各段階における現場確認・検査
  (基礎工事段階:杭、土、地業、配筋、型枠、コンクリート打等の各段階毎)
  (上屋工事段階:構造用金物・ボード類(木造)、設備配管・器具類、断熱その他下地材、屋根・仕上等の各段階毎) 
  現場打ち合わせ
  (基礎工事段階は各工事のポイントに合わせ、上棟後は毎週1回の定例打合せ、仕上段階は週に2回位の頻度となります)
  連絡書、施工指示書といった各種書類の作成
  中間検査などの官庁検査の申請、現場立会い
  追加変更工事の見積審査、指示、確認
  各所色・テクスチャー決め
  別途工事との調整
  家具、カーテンブラインド類の選定
  完成時の設計事務所検査
  完成検査立会い、他

・主に建て主の方に立会いを頂く内容:
  要所ごとの現場確認
  (仕上工事開始前のコンセントやスイッチ類の確認には必ずお越し頂くようにしています)
  色決め、他

8.完成後

引き渡しから1年及び2年後に、不具合はないか等、施工会社と共に建物の点検を行います。
施工会社に対して不具合箇所の是正方法の指示を行うと共に、工事完了の確認をします。


建築は買うモノではなく、造るモノ

設計事務所とともにつくる建築は、新築にあっては上記のように1年以上の時間をかけて建て主の方とさまざまなことを考えながら、建築という形にしていく作業となります。
そのようして創りあげた建築は、設計者だけでなく、建て主の方にとっても愛着が持てるものものとなっているようです。

さまざまなご要望を整理し、充分に知恵と知識を出して検討し尽くした上でモノをつくることこそが、長い目でみても納得を頂ける、悔いの残らない建築とするための唯一の手段と考えて日々の業務を行っています。