田端の家

田端の家 ~天空光の家7/ふたつのトップライトの2世帯住宅~

 

山手線田端駅から徒歩5分程の敷地に建つ木造、在来軸組工法による2世帯住宅です。

敷地は、道路面より一段高くなった角地という条件にあって、
「家族それぞれがゆったりと自分の時間を過ごせる家」
「機能性や耐久性の高いしっかりとした家」

が求められたものです。

防音室(音楽室兼書斎)やお茶室(客間兼用)、ビルトインガレージといった諸室もある家です。

設計手法・コンセプトとしては、これまでの他の住宅と同様、
シンプルで機能的なプランでありながら、ぬくもりを感じる家
明るく風通しの良い家
ワンランク上の性能を有する家
といった、この住宅でも建て主さんに求められたことを具現化したものです。

各所の主要な仕上げは自然素材を用いている住宅です。

設計段階(設計コンペ時)の模型はこちらです。

<外観>
都内では珍しく大規模な造成が施された敷地です。近隣や周辺環境からの手がかりが無くなってしまった土地での建て替えにあたって、
「奇をてらうことなく、周辺の環境づくりに寄与することができる家にしよう」という意識を持ちながら形づくりました。

<玄関廻り>
前面道路より1m程高くなっている敷地ですが、道路からはフラットに入ることができるようにした玄関です。
(家の中にゆったりとした階段を設けています)

写真上:木製ベンチのある玄関ポーチ、写真下:玄関内側に設けた屋内階段



写真上:玄関脇の打合せコーナー(右手は書類棚+郵便受+ライティングデスク)、
写真下:楕円の手摺を設けた玄関(右手はお茶室、正面は親世帯の住まい)


<2階リビングダイニング(子世帯)>

キッチンより正面(南面)のリビングを望む:リビング左手はダイニングとデッキテラス、右手は階段室を見通す室内窓

テーブル上部のトップライトにより光溢れるダイニング


ダイニングより階段室を望む(左手はリビング、右手はキッチン)

リビングをはじめとした各室の仕上げは、壁:ウッドチップがベースの紙貼(オガファーザー)に自然塗装仕上、床:たも材の無垢フローリング


ダイニング前のデッキテラス(上部は木製のパーゴラ)

<2階キッチン(子世帯)>
キッチンからは、リビングやダイニングだけでなく、階段室越しに子供室や音楽室等を見通すことができます。
対面カウンター形式のキッチン(正面の扉の先はサービスバルコニー)

キッチンの脇からは、洗面・脱衣室経由で浴室やクロゼットにつなげています。これにより機能的で、かつ廊下の少ない合理的な動線計画とした住まいです。

<茶室>
お茶の作法に基づく間取り、広さ、造作としたお茶室です。
客間兼用のお茶室のため、天井はやや高めとし、内部仕上は明るい場とすべく、桧を使用しました。





水屋側よりお茶室を望む(壁は漆喰塗、右手のにじり口は玄関の脇につながります)

<階段廻り>
家の中心に設けた階段室です。階段上部に設けたトップライトにより、下階にも光が降りそそぐようにしました。

床材、手摺を無垢板でつくった階段

<1階リビングダイニング(親世帯)>
親世帯の住まいは1階、南東の角部屋となるように配置。玄関から奥まった明るく静かな場所としました。

親世帯のリビングダイニング(下の写真はベッドコーナーより望む)

<1階キッチン(親世帯)>
親世帯のキッチンです。年配の建て主さんにとっては手が届きにくい吊り戸棚等は設けず、キッチンカウンター等は家具屋さんと大工さんにシンプルに造ってもらうことで、キッチンメーカー品を入れるよりもコストをおさえたキッチンです。

キッチンの奧は洗面・脱衣、洗濯室へとつなげています。

<2階子供室>
将来、2室に分けることを前提とした子供室です。
2室に分ける際に、双方の部屋が南に面し、バルコニーとロフトのある部屋にできるようにしました。

室の入口脇には、子供達が共用で使用する為の収納を設けています。

<2階防音室(AV室、音楽練習室、兼書斎)>
木造住宅内の防音室として、他の部屋とは平面・断面的にできるだけ離すと共に、できる限りの防音対策を施した部屋です。

写真上:防音室、可動スクリーン側、部屋の4周を造付収納としています。
写真下:映写機設置側、左手はピアノ置場、右手はデスクカウンターです。

<2階主寝室、クロゼット、洗面脱衣・洗濯室>
これらの部屋が廊下を介さずに連続することは、生活のさまざまなシーンにおける便利な動線です。
クロゼット経由で洗面脱衣室、浴室へとつながる寝室です。

寝室とつながる洗面脱衣・洗濯室:奧の寝室の手前が衣類用のクロゼット

 

<ビルトインガレージ>
階段室と親世帯のキッチンにつながるガレージ兼作業場です。

<その他-階段の踊り場>
2階の子世帯へと上がる階段の途中から、親世帯の気配やガレージの様子を感じることができます。

踊り場からガレージを望む窓


親世帯を望む窓

<その他-玄関廻り>
玄関脇の打合せコーナー脇に設けた隠し戸と隠し階段です。お茶室へのにじり口をデザインしたものです。




<玄関は家族や知人等を迎えたり送り出す大事な場所>
この家でも、手荷物を置いたり、暖かみのある素材にする等、設計者としてのこだわりを理解頂き、具現化させて頂きました。

写真上:玄関脇の無垢板ベンチ、写真下:鋸目仕上の無垢板玄関扉


写真上:打合コーナーの可動デスク、写真下:打合コーナーの郵便受

<南庭>
親世帯の南庭デッキ

茶室の庭(同時期に手がけていた世田谷のお寺の解体時に、古瓦を譲り受けて再利用したものです

<庇>
2階のガラス庇(左)とパーゴラ

<夕景>



建築データ

所在地
東京都北区田端
主要用途
戸建て住宅(部分共有型2世帯住宅)
構造・構法
木造(在来軸組)
基礎
鉄筋コンクリートべた基礎(柱状地盤改良)
規模
地上2階
敷地面積  166.13(50.3坪)
建築面積  100.91
延床面積  187.98(57.9坪、ビルトインガレージ共)
 1階    92.87㎡(28.1坪)
 2階    95.11㎡(28.8坪)
       

この住宅は、OZONE家づくりサポート(設計コンペ)により案及び設計者の選定がされた住宅です。

工程
  設計コンペ 2010.11~2010.12
  基本設計  2011. 1~2011. 4
  実施設計  2011. 5~2011.11
  施工者選定・申請期間 2011.11~2011.12
  工事期間  2011.12~2012. 7(地盤調査、改良共)
※土地の造成・引き渡しを待つ期間があったり、地盤改良工事が発生したことから、設計・施工の期間は通常よりやや長めのものになっています。

敷地条件
  第1種低層住居専用地域、
  準防火地域、第1種高度地区
  道路幅員 4.00m

外部仕上
  屋根:カラーステンレス鋼板 竪はぜ葺
  軒樋:カラーステンレス鋼板
  外壁:アクリル樹脂吹付仕上
  開口部:アルミサッシュ(黒)
      木製建具(玄関扉、タモ本実板貼)
  外構床:石英岩乱貼(玄関ポーチ)
      コンクリート土間(駐車場廻り)
      イペ材デッキ組(南庭)
      玉砂利敷込(その他)

内部仕上
 玄関(三和土、打合せコーナー)
   床:石英岩乱貼
   壁:オガファーザー+デュブロン塗
   天井:PB AEP塗
 リビング・ダイニング(1、2階)
   床:オーク無垢フローリング(床暖房有)
   壁:オガファーザー+デュブロン塗
   天井:PB AEP塗
 主寝室
   床:たも無垢フローリング、オイルステイン仕上
   壁:オガファーザー+デュブロン塗
   天井:PB AEP塗
 子供室
   床:コルクタイル貼
   壁:PB AEP塗
   天井:PB AEP塗
 茶室・水屋
   床:本畳敷
   壁:漆喰塗
   天井:桧本実板貼
 洗面脱衣室、トイレ(1、2階)
   床:オーク無垢フローリング(1階のみ床暖房有)
   壁:スイス漆喰塗(ラフ仕上)
   天井:PB AEP塗り
 その他(断熱・住設機器など):
   断熱材:セルローズファイバー充填(屋根)
       水性発泡ウレタン吹付(壁)
   大型トップライト:菱晃