手の跡

 

住まいは、人がいちばん快適で心休まる時間を過ごせる場所であってほしいものです。
今日の家づくりが、建てる側の論理が優先し、誰にでも短時間で施工できるものになってしまい、住み手の家への思いや快適性、創り手の思いといったものが二の次になってしまっていると感じるのは私だけではないでしょう。

かつての住まいにあった、手づくりの木の濡れ縁、格子戸、玄関廻りの石畳、杉板の雨戸など、
工業製品ではなく、それぞれの職人さん達が手に汗をしてつくったものには、味わいやおもむきを感じるだけでなく、家のやさしさ、安心感を感じたものです。
今日は家に求められる質も性能も変わってきてはいますが、人にとっての家の存在や意識までは変わってはいないように思います。

今日の家づくりにおいても、人にやさしく、住み手の心なごむ家、職人さん達の思いのこもった家は決して難しく困難なものではないはず。
そんな思いを大切にした家を創っていきたいと心がけています。 

左官のよる外壁1:
木ごてにより外壁に豊かな表情を与えたものです。
最後の細かな仕上方法は、現場で設計者と職人さんとのやりとりの中で決めました。




左官による外壁2:櫛目をつけた土壁風の塗り壁です。
職人さんが変わると表情も変わるので、
一人の職人さんに限定して建物全体の仕上げをしてもらいました。




左官による室内の塗り壁:
人が触れる室内の壁は比較的フラットに仕上げています。
上の写真は、仕上材をスタイロフォームのコテ(職人さんの自作)で目荒らししているところです。
この後、金ごてでうっすらとならして仕上がりとなります。





半透明な石を埋め込んだ玄関アプローチ:
玄関アプローチは、ローコストなコンクリートの土間としながらも、
変化のある有機的な表情を創りました。
設計者みずから石を捲き、スタッフと職人さんとで仕上げました。


家族の手形:
ご家族の希望により、新築時の家族の記念として、また家の記憶として、
コンクリートが乾く前に手形を押してもらいました。