地震に対しての家づくり

関東での大地震は、周期説からいっても、いつ起こってもおかしくないと言われています。

近年では阪神大震災以降となりますが、大地震のたびに、建物の耐震基準や性能が問題となっています。
しかし通常の住宅の場合にあっては、今日想定される地震から倒壊や大きな損傷を防ぐことは、比較的確かな経験と技術が一般化されつつあります。
阪神大震災における被害状況等の確認のため、私は自分の目で確かめてきましたが、倒壊、或いは大きな被害を受けた建物は壊れるべくして壊れたものとの認識を高めてきました。
問題は、工法よりも安全率の定め方を含めた基本的な構造計画と施工監理であると考えています。

また耐震性能とは、一般的に建物の強度で語られますが、本来は地震時にその中にいる人が安全な状態でいられるかということが最も重要な課題であるべきものです。
建物に被害がなくても、人が安全でいられなければ意味がありません。
そのためには、家具や設備類の配置や仕様に対する計画を十分に考慮すべき必要があるものと考えます。

■自分でできる地震対策
・対策1:家具の固定
家具の固定には、L型金具やチェーンやベルト式、つっぱり棒など、さまざまなものがあります。
壁に固定する際は、壁の下地材を探し、これに完全に固定する必要があります。
賃貸にお住まいで壁や鴨居にキズが付けられない場合には、家具の上に取り付けるつっぱり棒や、家具の手前に板を挟む等の方法があります。
いずれにしても、寝室には家具を置かない。居間にあっても、TVや本、割れもの等は高いところに置かない。といった住まい方や家づくりが賢明と考えます。

・対策2:扉の地震対策
地震により、家具の中身が棚の中から飛び出したきたり、落下することは大変危険です。
扉の内側から扉を押しても開かなくするためのセーフティキャッチャーの取付や落とし掛け式の金具とすることは、これらを防止する有効な方法です。また扉がガラス戸の場合には、少なくともガラス面に飛散防止フィルムを張っておきたいものです。

天袋の扉に取り付けたセーフキャッチ。
重い荷物を入れても飛び出す危険がありません。

既製の食器棚にもセーフキャッチを取付け、ガラス面にも飛散防止フィルムを貼りました。
もちろん棚自体も固定しています。


・対策3:その他(TV、パソコンなど)

家具だけでなく、TVやパソコンの下には滑り止めや固定のための粘着性のフィルムやシートを貼っておきたいものです。