セカンドオピニオン(別案提案コース)実例

静岡の家2(共有型2世帯住宅)

この家は静岡県郊外における2世帯住宅の計画です。

上の図面は建て主さんから頂いた原案です。

「進めている計画案に関して、第3者の視点から見ての意見がほしい」とのことから、まずはレポートのみコースの申し込みを頂いたものです。
その後、「改善案の提案と共に別案の提案をしてほしい」というお話を頂き、それにお応えしたものです。

原案を拝見して気になる点としては主に以下のようなことでした。

・配置計画:
ゆったりした敷地に関わらず、建物の向きがやや西を向いている。
玄関を開けると家の前の道路から家の中が丸見えとなる。
これらは、日照面、西日対策、プライバシーの確保といった面で改善が必要なものと思われるものでした。

・平面計画:
1、2階とも、南に面していない部屋があること。
玄関ホールがあまりに広く、他の諸室に対してバランスが悪いこと。
玄関や2階の廊下が中廊下形式である為、日中でも薄暗い場所になっていること。
リビングもダイニングも採光面で問題があると共に、周囲に壁がなく落ち着きがないこと。
階段の位置が悪く、各階のつながりが良くないこと。
客用のトイレが玄関に直接面していること、等。

こちらが見ると、改善すべきではないかと思われる点が多数あるものでした。

プランの基本的な構成としては、いわゆる「田」の字形式のプランでした。
日本の民家形式(アパート形式)のプランです。

部屋同士を有機的につなげること、オープンスペースを生かして諸室を配置すること、といった面では改善点がいろいろと考えられるものでした。


以上のような点を問題点、検討課題としてとらえ、別案として提示したのが以下の案です。




【別案4案】


原案をベースとした改善案とは別に、新たな案として別案の検討、提示を行ったものです。

提出した案は基本的には2案。
2案のそれぞれについて敷地への配置の仕方を変えることにより玄関廻りのプランが変わったり、
キッチンの形態などの部分的に異なる案も提示することで、全部で4案の提案を行ったものです。

もともとの原案はコロンとした4角形の平面の家でした。

別案では改善案の諸機能を継承しながらも
「せっかくのゆったりした敷地なので、もっとのびやかなプランとする」
ということを意図しました(面積はご要望により原案よりコンパクトにしました)。

案1は「L型プランの家」、案2は「 I 」型プランの家としたものです。


別案1-1(L型プラン)
配置図

平面図


別案1-2(L型プラン)
配置図
平面図


別案2-1( I 型プラン)
配置図
平面図


別案2-2( I 型プラン)

配置図
平面図


上記の案のプレゼンテーションを行ってから10日程後、この家の建て主さんよりメールにてご連絡を頂きました。

『今回はいろいろお世話になりました。
その後、頂いた案を元に皆で話し合い検討した結果、別案○-○が中でも一番いいのではないかということになりました。
(・・・中略・・・)
今後、これを元に設計事務所に若干の修正をしてもらい決める予定です。

今回、こちらが気付かないようなことまで提案していただき本当にお願いしてよかったです。
設計事務所のお部屋もとても素敵で参考になりました。ありがとうございました。』

このようなご連絡を頂くと、このサービスが役に立っていることを実感します。