2世帯住宅の注意点とワンポイントアドバイス
家づくりの計画から完成までの主なチェックポイント
当事務所が設計監理を行ってきた住宅の約半数が2世帯住宅で、これまで
実際に手がけた実例以外にも、2世帯住宅に関するさまざまなご相談を受けてきました。
(相談に関しては、地方都市でのお話を含めてメールでのご相談がほとんどでしたが...)
また私自身も10年程前に親世帯と暮らす為の2世帯住宅を建てました。
そこでの生活や家族の関係性等もふまえて、これから2世帯住宅を計画
されようとしている方々に、少しでもアドバイスができればと思っています。
【2世帯住宅】
2世帯住宅は、もともとは日本の伝統的な住まい方でした。
しかし、若い世代の意識の変化や社会環境の変化といった
さまざまな要因により核家族化が進み、これが一般的な住まい方
として定着したのも確かです。
おそらく、バブル以降にこの核家族化の傾向や住まいに対する考え方に変化が
出てきたのではないかと考えていますが、ここ10年程、2世帯住宅のニーズが
非常に高まったように思います。
その理由や主なメリットとしては、
・安心感:老後に対する安心、親が近くにいることでの安心
・子育て支援:子供を預けることができるというメリット、共働き家族の支援
・経済的な理由:持ち家の取得難、光熱費や税金面、他
ということが挙げられ、
これらは2世帯住宅に対するニーズの最も大きなものと考えられます。
しかし、一方では親子とはいえ複数の世帯が同じ家に暮らすことによる
気づかいや気兼ね、過干渉
といったことから、せっかくの計画が思ったようにいかないことも多いようです。
そこで、これまでの経験から
2世帯住宅の計画にあたっての注意点、解決案
を以下に記させて頂くものです。
【企画段階 〜建て主(家族の関係性)〜】
2世帯住宅は、文字通り異なる世帯がひとつの敷地内、屋根の下にて暮らすものです。
戸建て住宅にあっても、そこに住まう人の中での意見や趣向の違いはありますが、
たいがいの場合には夫婦間で、場合によって設計者がアドバイザーとして加わる
こと等で解決します。
しかし、これが異なる世帯同士となると、家づくりに加わる方の人数は増え、
親族とはいえども異なる世代であり、異なる生活スタイルや意見を持たれた方が
加わることになり、意見をまとめ、方向性を定めるのは極端に難しくなってきます。
家族の皆が、家づくりに対して基本的に同じ方向性を見いだしている場合には
特に問題はありません。
しかし、家族の中のひとりだけが特に主導権を持っていて、他の人と意見が
異なったり、他の人があまり口をはさめないような場合、
或いは、家族の中でひとりだけが自分の意見を言う場が少ない場合等は
家づくりがスムーズに運ばなくなったり、場合によっては
家ができた後になってからもめてしまう大きな要因になります。
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そこで提案したいのが 調整役をつくる ということです。
(別ページに2世帯住宅のクレーム例を掲載しています)
「それぞれの意見や希望をまとめること」
住まいをつくるにあたっては、敷地条件やコスト、工期などさまざま制約の中で
考える必要がありますが、これらをふまえながら、家づくりの基本的な方向性を
決めることは、計画にあたっての第1段階です。
この第1段階を明確にせずに、いきなり具体的な計画を進めることは
是非避けるべきものと考えています。
また、これは非常に重要なことですが、
「お互いの世帯の行き来やそれぞれの世帯に対する干渉といった面
において、それぞれが節度を持てるか否か」
「義理とか経済性だけで住まいの計画を進める」
ということは、計画の開始段階において最も注意すべきことと考えます。
仮に、玄関を含めて完全に分離された家にしても、生活上の過度の干渉の有無
といったことは、建築的な配慮だけでは解決のできない場合があります。
住まいが生活上のストレスになってしまう
このようなことだけは、何としても避けなければならないことです。
【建築計画】
前述した第1段階(企画)においても、ある程度は建築計画を考慮する必要がありますが、
2世帯住宅への方向性が定まれば、いよいよ具体的な建築計画を検討することになります。
そこで、
2世帯住宅の基本構成について、
「ほとんど同居型」、「部分分離型」、「分離型」
というタイプ別にそのメリット、デメリットをご説明させて頂きます
(別ページ参照)。
2世帯住宅の基本構成 − タイプ別
【その他 − 名義、融資、税金】
親しい仲だからこそ、お金のトラブルは避けたいものです。
2世帯住宅の計画あたっては、
名義やローン、税金対策
といったことも、あらかじめ知識としてお持ち頂くことをお勧めします。
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